IT技術を活用したスマート農業はなぜ必要なのか

ロボット、IoT、人工知能などの最先端のIT技術を活用した農業は、スマート農業と呼ばれます。国、農林水産省はスマート農業を普及させようとしていますが、本当にスマート農業を導入する必要があるのか、疑問に思う人も多いでしょう。スマート農業が期待されているのは、既存の農業が様々な問題により限界を迎えつつあるからです。

特に大きい問題が労働力で、農業従事者の数は時代と共にどんどん減りつつあるのが実情です。さらに、日本は少子高齢化が進行していることもあって、高齢者が農業従事者の多くを占めるようになってしまいました。2020年には、農業従事者のおよそ7割が高齢者というレベルに達しており、一刻の猶予もありません。しかし、既存の農業は種まきや田植え、雑草除去を始めとする管理、収穫などの負担の大きい作業が続くため、若い世代からは敬遠されがちな職業です。しかし、スマート農業にIT技術を取り入れれば、就農の壁となる農作業の負担を減らす効果が期待できます。

もう1つ、スマート農業の大きなメリットとして挙げられるのが、IoTの技術を活用したデータ収集です。経験を重ねないとよい農作物を育てられないという点も、若い世代から敬遠される理由の1つです。しかし、農業にデータ収集を導入すれば、データを頼りにできるので、農作物の管理がしやすくなります。スマート農業が普及したからといって、農業を始める若者が増えるとは限りませんが、農業従事者が減っている以上、少しでも農業のハードルを下げることは必須でしょう。少しでも興味を持ったのであれば、農業におけるITの活用事例などもチェックし、スマート農業への理解を深めてみてください。